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氷は水からできるのに、どうして水に浮くの?:内容をイメージした挿絵
科学の原理

氷は水からできるのに、どうして水に浮くの?

かたいものは沈む、とは限らないんだ。氷と水を同じ大きさで比べて、小さな分子の並び方まで考えてみよう。

まず、ひとことで

ふつうの氷は分子の並び方にすき間が多く、同じ体積の水より質量が小さい。そのため水に浮くんだ。

かたさと、浮きやすさは別の話

水の入ったコップに氷を入れると、氷は水面に浮かぶね。水を冷やしてできたものなのに、どうして底へ沈まないのだろう。「かたいから重いはず」と思っても、かたさと浮きやすさは別の性質なんだ。

比べるときの鍵は、同じ大きさにそろえること。小さな石と大きな木の板では、板のほうが重くても水に浮くことがあるね。もの全体の重さだけを見て、浮くか沈むかを決めることはできない。氷でも同じ考え方が使えるよ。

ここでいう氷は、ふだんの暮らしに近い圧力でできる水の氷だよ。とても高い圧力など、特別な条件では別の構造の氷もできる。まずはコップの中にある身近な氷から、条件をそろえて考えよう。

同じ体積に、どれだけ入っている?

ものが場所を占める大きさを「体積」、ものの量を表す量を「質量」というよ。同じ体積にどれだけの質量があるかを表すのが「密度」なんだ。たとえば同じ大きさの箱を二つ用意して、中身の質量を比べるような見方だよ。

氷と液体の水では、同じ体積を切り取って比べると氷のほうが質量が小さい。言い換えると、氷の密度は水より小さいんだ。氷を一つ丸ごと測る場合と、水を一杯測る場合では量が違うかもしれないから、まず体積をそろえる必要があるね。

逆に、同じ量の水をこぼさず凍らせると、分子が増えたわけではないのに体積が大きくなる。同じ質量で体積が増えることと、同じ体積で質量が小さいことは、密度が小さくなるという同じ性質を違う向きから説明しているよ。

同じ十二個の丸を、液体の水では狭く不規則に、氷では広く規則的に配置した比較図
同じ数でも、広さが変わる

同じ数の分子が占める広さを比べる模式図。丸は水分子一つを表す約束で、原子や水素結合の形、実際の三次元構造は省略しているよ。面積の比も実際の体積比ではないんだ。

出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図

水の分子は、氷で並び方を変える

水は水分子という小さな単位の集まりだよ。一つの水分子には酸素原子が一つ、水素原子が二つある。水が凍っても、水分子が別の物質に作り替わるわけではない。大きく変わるのは、分子どうしの並び方と動き方なんだ。

液体の水では、分子が近くの相手を入れ替えながら動いている。ふつうの氷になると、分子どうしが一定の並び方をした結晶を作る。その並び方にはすき間が多く、同じ数の分子を収めるのに、液体のときより広い場所が必要になるよ。

分子の間には「水素結合」と呼ぶ引き合いが関わっている。氷のすき間は、空気をわざわざ注ぎ込んだ穴ではないんだ。透明で目立つ気泡のない氷も浮く。分子を描いた丸の大きさそのものがふくらむわけでもないよ。

浮かべているのは、水からの力

氷を水へ入れると、氷がある場所から水が押しのけられる。水は氷に上向きの力を及ぼすよ。この力を「浮力」という。水に沈んだ部分が押しのけた水の重さに相当する力で、氷に働く下向きの重力と釣り合うと、静かに浮かんでいられるんだ。

氷は同じ体積の水より密度が小さいから、全部が水中に入る前に、自分の重さと釣り合うだけの水を押しのけられる。そのため一部が水面より上へ出るよ。「浮く」は水に全く入らないという意味ではない。コップの氷も、かなりの部分が水中にあるね。

比べる相手も大切だよ。浮くかどうかは氷だけの性質で決まるのではなく、周囲の液体との関係で決まる。ここでは氷を水に入れる場合を考えている。液体が違ったり、氷に別の物が付いていたりすれば、条件をもう一度見直そう。

一部が水面上に出た氷に、上向きの浮力と下向きの重力が釣り合って働く図
水中の部分が、水を押しのける

静かに浮かぶ氷の模式図。上下の矢印は力の向きと釣り合いを表すよ。氷の形や水面上の割合は説明用で、正確な測定値ではないんだ。

出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図

氷がとけたら、分子はどこへ行く?

氷がまわりからエネルギーを受け取ってとけると、整った結晶の並び方が崩れ、分子どうしが位置を入れ替えられるようになる。水分子が消えたり、小さく砕けて別の分子になったりするわけではないよ。同じ水が液体の状態へ戻るんだ。

液体になると、ふつうの氷にあったすき間の多い並び方が失われる。そのため、同じ質量で比べた体積は小さくなる。けれどコップ全体の水位を考えるときには、浮いていた氷がもともと水を押しのけていたことも数えないといけないよ。

純粋な水に、その水からできた氷だけが浮いている理想的な場合、氷がとけても水位はほぼ変わらない。とけてできる水の量が、氷が押しのけていた水の量と対応するからだよ。温度による体積の細かな変化などは省いた説明なので、実験の小さな差を全て間違いと決めつけないでね。

図の丸と、ほんものの分子を分けよう

分子の絵では、丸をすき間なく置いたり、少し離して置いたりするね。これは並び方を見比べるための模型で、本当の分子を大きなカメラで撮った写真ではないんだ。色は見分けやすくする約束で、水分子が青い玉という意味でもないよ。

また、氷の中の分子も完全に止まっているわけではない。決まった場所の近くで振動している。液体の分子も、ばらばらに何の影響もなく動くわけではなく、互いに引き合っている。固体は静止、液体は無関係、という二つだけで考えないようにしよう。

模型を使うときは、何を残して何を省いたかを書くと説明が強くなるよ。今回の図では「同じ数の分子」と「占める広さ」に注目している。形の正確さよりも、比べたい条件をそろえることが、密度を理解する助けになるんだ。

紙の丸を同じ数だけ二組用意し、一方を狭く、もう一方を広く並べてみてもいいね。数を増やさずに占める場所だけ変えると、密度の違いを想像しやすくなる。ただし二次元の紙は、本物の体積の代わりに使った模型だよ。

どっとと考えよう:大きい氷は沈むかな?

紙に小さい氷と、その何倍も大きな氷を描いてみよう。同じ種類の氷なら、大きくするほど質量も体積も増えるね。でも、同じ体積あたりの質量である密度は、大きさを変えただけでは変わらない。大きいという理由だけで、沈むと決められるかな。

透明な割れにくいコップで氷を見る機会があったら、水面より上と下の両方を観察してみよう。横から見た輪郭を描くと、「浮く」と「水に入っていない」の違いを説明しやすいよ。氷を口に入れて試したり、密閉した容器を凍らせたりする必要はないんだ。

最後に「分子の並び方」「密度」「浮力」の三つの言葉を、順番につないでみて。分子が作るすき間の多い構造が密度の違いを生み、その違いが水の上での浮き方につながる。コップ一杯の景色に、小さな世界の仕組みが現れているんだね。

ことばのメモ

体積
ものが占める場所の大きさ。
密度
同じ体積に、どれくらいの質量があるかを表す量。
水素結合
水分子などの間に働く引き合いの一つ。氷の構造に関わる。
浮力
液体や気体から、物体が受ける上向きの力。

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下記の資料をもとに、説明と考える問題を独自に構成しています。外部資料には英語のページもあります。どっとの画像は案内用のイラストで、観測写真や科学的な図ではありません。

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