
火山は、どうして溶岩を流したり、爆発したりするの?
赤い溶岩が流れる噴火も、細かな火山灰を吹き上げる噴火もあるね。マグマの中の気体は、どんな仕事をしているのかな。泡の育ち方と、マグマの粘りけから考えよう。

まず、ひとことで
マグマが上昇して周りの圧力が下がると、溶けていた気体の成分が泡になり、膨らむよ。泡から気体が抜ける速さやマグマの粘りけなどで、噴き出し方が変わる。粘りけが強く、気体を逃がしにくい場合には、爆発的な噴火になりやすいんだ。
噴火は、全部同じ出方ではない
火山の映像を見ると、赤いものが川のように流れる場面も、灰色の噴煙が高く伸びる場面もあるね。どちらも、地下にある物質が地表へ出てくる活動と関わっている。でも、流れて出るのと、細かな破片になって噴き出すのでは、途中で何が違うのだろう。山の形や色だけを見るのではなく、出てくる物質と、その動き方に注目してみよう。
地下で岩石が高温で溶けたものを、マグマと呼ぶよ。結晶という固体の粒や、気体の泡を含むこともあるんだ。地表へ流れ出たものは溶岩と呼び、冷えて固まったものも溶岩というよ。「マグマ」と「溶岩」は、全く関係のない二つの材料の名前ではない。この記事では主に、マグマそのものが噴き出すときの、気体と流れやすさの役割をたどるよ。
地下に溶けていた成分が、泡になる
マグマには、水や二酸化炭素など、気体になりやすい成分も含まれるよ。地下の深い場所では、周囲の岩石による大きな圧力のもとで、そうした成分がマグマの液体部分に溶け込んでいる。溶けていることと、初めから大きな泡が浮かんでいることは違うんだ。泡が見えないから、気体になる成分が全くないとは言えないね。
マグマが地表へ近づくと、周りから受ける圧力が小さくなる。その変化によって、溶けていた成分が液体部分から分かれ、泡ができて成長するよ。泡が膨らむと、マグマと泡を合わせた全体の体積も変わる。最初の図では、深い場所から浅い場所へ向かう間の変化を示した。実際の泡の数や大きさ、でき始める深さは、成分や条件で変わるんだ。
上昇するマグマの変化を順に示した模式図。粒状の点は溶けた成分の記号で、最初から気泡という意味ではないよ。泡の数・大きさ・深さ・時間は実測値や縮尺を表していない。
出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図炭酸飲料は似ているけれど、同じではない
炭酸飲料では、容器を開けて圧力が下がると、溶けていた二酸化炭素が泡として出てくるね。圧力が変わると、液体に溶けていた成分が気体として分かれるという点は、マグマを考える手がかりになる。液体が急に別の物質へ変わったのではなく、その中に含まれていた成分の状態や居場所が変わる、という見方ができるよ。
ただし、火山の地下には飲み物のふたが付いているわけではない。温度、液体の性質、気体の種類、岩石に囲まれた通り道も違うんだ。噴火の始まり方には、新しいマグマが供給されることなど、さまざまな過程が関係する。炭酸のたとえは、圧力と泡の関係だけを借りよう。容器を振って噴き出させる実験をしなくても、図や記録でこの違いを考えられるよ。
粘りけは、泡の逃げやすさにも関わる
同じ液体でも、水と、とろみのある液体では、流れやすさが違うね。流れる動きへの抵抗を、粘性というよ。ここでは粘りけと呼ぼう。マグマにも流れやすいものと、粘りけの強いものがある。粘りけは化学的な成分だけでなく、温度や含まれる結晶などにも関係する。赤く見えるから、どれも水のように流れるとは限らないんだ。
粘りけが比較的弱い場合には、気体が外へ逃げやすい。一方、粘りけが強いマグマでは、気体が抜けにくくなることがあるよ。気体がどのくらい含まれ、どれくらいの速さで抜けられるかが、噴き出し方に関わるんだ。つまり「泡があるか、ないか」だけでは足りない。泡ができる速さと、気体が出ていく道筋も考える必要があるんだね。
気体の膨張が、マグマを破片にする
泡から気体が十分に抜けないまま急激に膨らむと、マグマや周囲の岩石がばらばらになり、破片と気体が勢いよく噴き出す場合があるよ。これが、爆発的な噴火を考える大切な仕組みの一つだ。火薬に火が付いたり、山全体が燃えたりすることを、必ず意味しているわけではないんだ。熱い物質と、膨張する気体の働きを分けて考えよう。
噴火で出る固体のうち、気象庁では直径2ミリメートル未満の細かなものを火山灰と呼ぶよ。たき火で紙が燃えたあとの灰と、同じでき方ではない。マグマや岩石などが細かくなったものなんだ。二つ目の図は、気体が逃げやすい場合と、逃げにくく急激に膨張する場合の比較だよ。条件を単純にした絵で、全ての噴火を二種類に分ける表ではない。
代表的な条件を比べる模式図。気体の量や上昇速度なども関係するので、粘りけだけでは決まらないよ。溶岩の噴水やドーム、水蒸気噴火などは省略している。火山を二種類に固定する図でも、噴火予測でもない。
出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図流れやすいマグマも、いつも静かとは限らない
粘りけが比較的弱く、気体が逃げやすければ、溶岩が流れ出す活動になりやすい。でも、流れやすいマグマに気体が多く含まれると、溶岩が噴水のように吹き上がることもある。反対に、粘りけが強い溶岩が、火口の近くに押し出されて盛り上がり、溶岩ドームを作る場合もあるよ。「粘りけだけで結果が決まる」とは言えないんだ。
マグマが上がってくる速さ、通り道、含まれる気体の量なども関係する。同じ火山でも、活動の途中で気体が少なくなるなどして、噴き出し方が変わることがあるよ。さらに、地下の水が加熱されたり圧力が下がったりして、急に水蒸気となり膨張する水蒸気噴火もある。マグマの中の泡の説明を、そのまま全ての噴火へ当てはめないようにしよう。
見えない地下を、いくつもの記録から調べる
研究者は、地下の泡を全て直接見ているわけではないよ。噴き出した岩石や火山灰を調べると、成分や噴火の特徴を考える手がかりになる。今の活動を調べるときには、地震計で揺れをとらえたり、地面の傾きや位置の変化を測ったりする。気象庁は、カメラの映像、熱の状態、火山ガスなども観測しているんだ。
それぞれの道具が測るものは違う。カメラで見る噴煙の高さと、ガスの放出量と、地面の変形は、同じ数値ではないね。いくつもの記録を組み合わせて、地下で起きていることを考えるよ。この記事の模式図は仕組みを学ぶためのもので、今どの火山が噴火するかを判定する道具ではない。火口へ近づいて確かめる代わりに、公開されている資料を使って学ぼう。
どっとと考えよう:一つの条件だけで決めてよい?
紙に二つのマグマの通り道を描いてみよう。一方は気体が外へ抜けやすく、もう一方は抜けにくいという仮定にする。泡を丸、気体が出る道を矢印で表すと、どこが違うかな。次に、気体の量やマグマの上がる速さというカードも置いてみてね。これは考えるための模型で、本当の噴火を再現した実験でも、予測の計算でもないよ。
噴火の写真を比べるときも、「この山はいつも爆発する」と決める前に、いつの、どんな活動かを確かめよう。流れる溶岩、噴き上がる破片、噴煙の違いを言葉にして、仕組みの説明と観測した事実を分けてみる。地球の地下から地表へ物質が移動するとき、材料の性質だけでなく、圧力と時間も関わるんだ。泡という小さなものが、大きな山の活動につながっているんだね。

ことばのメモ
- マグマ
- 高温で溶けた岩石。結晶や気泡を含むこともあり、多くは地下にあるものを指すよ。
- 溶岩
- 溶けた岩石が地表を流れるものと、それが冷えて固まったもの。
- 圧力
- 面を押す力の強さを、面積あたりで表したもの。地下では周りの岩石による圧力も受ける。
- 粘性
- 流れにくさを表す性質。この記事では粘りけと呼んでいるよ。
- 火山灰
- 噴火で放出された固形物のうち、直径2ミリメートル未満の細かなもの。
- 水蒸気噴火
- 地下の水が加熱や減圧で急に水蒸気となり、膨張することが原動力となる噴火。
もとになった資料・もっと知りたい人へ
下記の資料をもとに、説明と考える問題を独自に構成しています。外部資料には英語のページもあります。どっとの画像は案内用のイラストで、観測写真や科学的な図ではありません。
- NPS:Volcanic Eruptions(圧力低下、気泡、粘性、噴出速度)
- 気象庁:火山噴出物に関する用語(マグマ・溶岩・火山灰の定義)
- Geological Society:Viscosity of Magmas(成分、温度、気体、結晶と粘性)
- 国立科学博物館:火山国日本(気体量・流動性と噴火様式、活動途中の変化)
- 気象庁:噴火に関する用語(噴火・爆発・水蒸気噴火)
- 気象庁:各種の火山観測(揺れ、地殻変動、熱、火山ガス、噴出物)
- USGS:Eruption Styles(マグマの性質、噴出量と速さ、水との関係)
分かりやすくするために、説明を短くしたり、たとえ話を使ったりしています。まちがいを見つけたらお問い合わせへお寄せください。制作方法は編集方針、いっしょに読むときのヒントは保護者・先生へで紹介しています。