
同じ地球なのに、どうして夏と冬があるの?
夏は太陽に近いから暑いのかな? 地球の傾きと光の当たり方をたどって、北と南で季節が逆になるひみつを考えよう。

まず、ひとことで
季節の主な理由は、地球の自転軸の傾き。光が当たる角度と昼の長さが変わり、北半球と南半球は交代で夏を迎えるんだ。
日本の冬に、南では夏になる
日本で冬のコートを着るころ、オーストラリアでは夏を迎えるよ。同じ日に、同じ地球の上で、反対の季節があるんだ。もし「地球全体が太陽に近づくから夏になる」だけなら、北も南もいっしょに暑くなりそうだよね。まず、この食い違いを手がかりにしてみよう。
地球を赤道という線で北と南に分けると、北側を北半球、南側を南半球と呼ぶよ。日本は北半球、オーストラリアは南半球にあるんだ。二つの半球が太陽から受け取る光は、一年を通して同じ配分のままではないよ。
今回の問いは、晴れた一日の暑さではなく、毎年くり返す季節の違いについてだよ。雲や風で今日の気温は変わるけれど、夏と冬の大きなリズムを作る仕組みは、地球の回り方を宇宙から眺めると見えてくるんだ。
地球は、少し傾いたこまのよう
地球は一日におよそ一回、自分自身で回っているよ。これを自転と呼ぶんだ。その回転の中心を貫き、北極と南極を結ぶ想像上の棒が「自転軸」だよ。本当に棒が刺さっているわけではないけれど、どちらを向いて回るかを説明するのに便利なんだ。
さらに地球は、約一年で太陽のまわりを一周するよ。こちらは公転という動きだね。公転する道を平らな板に見立てると、自転軸は、その板にまっすぐ立つ向きから約23.5度傾いているんだ。板そのものとの角度が23.5度、という意味ではないよ。
一年ほどの時間で見ると、自転軸が向く方向はほぼ同じままだよ。太陽のまわりを進むたびに、北極をいつも太陽へ向け直すわけではないんだ。そのため、公転する道のどこにいるかで、北側が太陽へ傾く時期と、南側が太陽へ傾く時期が入れ替わるよ。
一年のうちの二つの位置を横から比べた模式図。軸の向きはほぼ同じまま。大きさ・距離は縮尺どおりではなく、公転の道は省略したよ。
出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図同じ光でも、広がる面積が違う
北半球が太陽のほうへ傾くころ、日本のような場所では、正午ごろの太陽が空の高いところに見えるようになるよ。地面に届く光は、冬よりも上から当たりやすくなるんだ。太陽自体が夏だけ特別に熱くなる、という説明ではないよ。
ここで、同じ幅の光の束を考えよう。地面にまっすぐ近い向きで当たると、光は狭い場所に集まるね。斜めから当たると、同じ束がもっと広い地面に広がるんだ。同じ量を小さな紙と大きな紙へ分けて配るときのように、一つの面積が受け取る分が違ってくるよ。
太陽が低い冬は、この広がり方のため、同じ広さの地面が受け取る光のエネルギーが小さくなりやすいんだ。下の図では、地面を平らにして、光の当たる角度だけを比べているよ。実際には大気を通る道の長さも変わるけれど、まずは面積に注目しよう。
光をもらう時間も、長くなる
もう一つの大事な違いが、昼の長さだよ。日本では夏に近づくと、日の出から日の入りまでが長くなるね。冬に近づくと短くなる。地球の傾きは、太陽が空に見えている時間も変えるんだ。
一日で受け取るエネルギーを考えるときは、「どれくらいの強さで」と「どれくらい長い時間」の両方が必要だよ。同じ勢いで水が出る蛇口でも、長く開ければ、たまる水は増えるよね。光も、当たる時間を抜きにして一日の合計を比べることはできないんだ。
水のたとえは、時間を足し合わせる考え方のためのものだよ。太陽の高さは朝から夕方まで変わるので、実際の光の強さは一日中一定ではないんだ。夏は高い太陽と長い昼が組み合わさり、冬は低い太陽と短い昼が組み合わさる、と整理してみよう。
光の束の幅と量をそろえ、角度だけを比べた模式図。面積の違いを示しており、大気や一日の時間変化は省略しているよ。
出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図北と南が、交代で太陽を向く
六月ごろには、北極側が太陽へ傾く向きになるよ。北半球では夏へ向かう条件がそろう一方、南半球では太陽が低く、昼が短くなりやすいんだ。十二月ごろには、この関係が反対になる。北と南で季節が逆になるのは、この交代があるからだよ。
ここで注意したいのは、北極が太陽に少し近づいた距離で暑さを説明しないことだよ。主役は、地面が光を受ける角度と時間なんだ。地球の絵に太陽を近づけて描くと距離が原因に見えやすいので、図の大きさは本物の縮尺ではないと確かめよう。
世界のどこでも、日本と同じような春夏秋冬になるわけではないよ。赤道に近い地域と極に近い地域では、太陽の高さや昼の長さの変わり方が違うんだ。「南半球だから、どの場所も同じ気温」と考えず、赤道からどれくらい離れた場所かも見てみよう。
太陽までの距離は、変わらないの?
実は、地球が進む道は完全な円ではなく、少しつぶれた円のような形だよ。そのため太陽までの距離も変わるんだ。地球が太陽に最も近づくのは一月ごろ、最も遠ざかるのは七月ごろだよ。日本の夏と冬に当てはめると、距離だけの予想とは逆になるね。
距離の違いが、届く太陽のエネルギーにまったく影響しないわけではないよ。でも、今の地球で北と南の季節が交代する主な理由は、自転軸の傾きなんだ。「影響があること」と「この現象の主な原因であること」は、分けて考える必要があるね。
理由を見分けたいときは、一つの場所の印象だけでなく、別の場所でも説明が通るか試してみよう。日本とオーストラリアは、地球全体としてはほぼ同じ太陽までの距離にいるよ。それなのに季節が逆になる、という比較が、傾きの説明を支えているんだ。
紙とライトで、光の広がりを比べよう
小さなLEDライトと白い紙があれば、机の上で光の広がりを比べられるよ。ライトは固定し、紙を光に正面から向けてみよう。次に、紙の同じ場所を中心にしてゆっくり傾けるんだ。丸かった明るい部分が、細長く広がる様子を探してみてね。
比べる間は、ライトの明るさや、ライトから紙の中心までの距離をなるべく変えないようにしよう。一度にいくつも条件を変えると、何が違いを生んだのか分かりにくいよ。熱くなる照明は使わず、ライトを人の目へ向けないで、必要なら大人といっしょに試してね。
この模型で見えるのは、光が当たる面積の変化だよ。紙が地球の気温や雲まで再現しているわけではないんだ。また、近くのライトの光は広がるので、地球に届くほぼ平行な太陽光とは違うところもある。どの仕組みを取り出した模型か、言葉で添えよう。
どっとと考えよう:二つの説明を試せる?
「夏は地球が太陽に近いから」という説明と、「傾きで光の角度と昼の長さが変わるから」という説明を、紙に一つずつ書いてみよう。それぞれの説明が正しいなら、同じ日の北半球と南半球に何が起きるはずかな。予想を二列にすると違いを見つけやすいよ。
次に、本文の最初へ戻って、南と北で季節が逆になることと比べよう。一つの出来事にそれらしい理由を付けるだけでなく、ほかの場所の出来事も説明できるか調べる。これは季節の話以外でも使える、科学の考え方なんだ。
最後に、夏の夕方が長いと気づいたら、「太陽が高くなること」と「昼が長くなること」を自分の言葉でつなげてみてね。空を直接見上げて太陽を観察する必要はないよ。地球の少し傾いた回転が、毎日の明るさと季節のリズムにつながっているんだ。

ことばのメモ
- 自転軸
- 地球が自分で回るときの中心を通り、北極と南極を結ぶ想像上の線。
- 公転
- 地球などが太陽などのまわりを回る動き。地球では一周に約一年かかるよ。
- 北半球・南半球
- 赤道を境に分けた地球の北側と南側。日本は北半球にあるよ。
- 光のエネルギー
- 光が運ぶエネルギー。地面に吸収されると、地面を温めることにつながるよ。
もとになった資料・もっと知りたい人へ
下記の資料をもとに、説明と考える問題を独自に構成しています。外部資料には英語のページもあります。どっとの画像は案内用のイラストで、観測写真や科学的な図ではありません。
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