
タコの心臓は、どうして3つあるの?
3つとも同じ仕事? それとも別の仕事? 血の通り道をたどってみよう。

まず、ひとことで
2つはえらへ、もう1つは体へ。血を送る仕事を分けているんだ。
2つはえらへ、1つは体へ
タコには、心臓が3つあるんだ。2つは血を「えら」へ送り、残りの1つは、酸素を受け取った血を体へ送るよ。
荷物の運び方にたとえると、「受け取り場所へ運ぶ係」と「そこから届ける係」のようなものだよ。3つの心臓は、使わないときの予備ではないんだ。
えらで、酸素を受け取る
タコは水の中でくらしているんだ。えらは、水の中の酸素を取りこむ場所だよ。
血がえらへ運ばれると、酸素を受け取るよ。その血を、もう1つの心臓が体へ送り出すんだ。「えらへ」「体へ」と分けて考えると、3つの心臓の仕事が見えてくるよ。
2つの心臓はそれぞれのえらへ血を送り、えらで酸素を受け取った血をもう1つの心臓が体へ送るよ。帰りの血の流れは省略しているよ。器官の位置や形、大きさを示した解剖図ではないんだ。
出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図数えるだけでなく、つながりを見よう
人の心臓は1つ。タコは3つ。だからといって、数が多いほうがえらいわけではないんだ。体のしくみがちがうんだよ。
生きものを調べるときは、「いくつある?」の次に「何をしている?」「どこにつながる?」も考えてみよう。数のびっくりから、体のしくみの発見へ進めるよ。
ポンプと通り道を、別々に考えよう
心臓を水のポンプにたとえると、仕事を想像しやすいね。ポンプは液体を押し出す役目をするけれど、どこへ運ぶかは、つながる通り道によって決まるよ。タコの心臓を知るときも、丸を3つ描いて終わるのでなく、その丸からどこへ矢印が伸びるかまで見てみよう。数とつながりを合わせることで、体の中の働きが分かるんだ。
タコでは、2つの心臓がそれぞれえらへ血を送る仕事をしているよ。そして、えらで酸素を受け取った血を、もう1つの心臓が体へ送り出すんだ。下の図は、この順番を見やすくしたもの。2つのえらへ進む道が、体へ向かう流れにつながっていることを、矢印でたどってみてね。
ポンプのたとえにも、限界があるよ。心臓は生きた器官で、家庭の機械と同じ形や材料ではないんだ。たとえが教えてくれるのは「血を押し出す仕事」という部分。たとえの中の細かな仕組みまで、全部タコに当てはめる必要はないよ。何が似ていて、何は説明していないかを分けて使おう。
酸素を取りこむ場所と、運ぶ仕事
水の中にいるタコも、酸素を使って生きているよ。えらは、その水に溶けた酸素を取りこむ場所なんだ。えらへ血を届ける仕事と、そこから酸素を受け取った血を体へ届ける仕事を分けると、心臓が3つあるという説明が、暮らす場所の話ともつながってくるね。
運び屋のたとえなら、えらは荷物を受け取る場所、血は荷物を運ぶ流れ、心臓は流れを押し出す係だよ。ただし、酸素は小包のような箱ではないし、血に小さな運転手が乗っているわけでもないね。たとえは役割の違いを覚えるためのもの。実物の姿をそのまま表しているわけではないんだ。
紙の図を指でたどりながら、「ここで酸素を受け取る」「ここから体へ送る」と声に出してみよう。酸素を受け取る場所と、血を押し出す場所を混ぜずに言えるかな。器官の名前を知るだけでなく、それぞれの仕事を区別すると、体全体を一つのつながりとして考えられるよ。
水中の酸素がえらで血へ渡り、血に運ばれて体へ届く関係を表しているよ。水と血が同じ管を通って体へ流れるわけではないんだ。心臓の配置や血が戻る道は省略しているよ。
出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図人とタコを比べる、よい問いの作り方
人の心臓が1つでタコの心臓が3つ、と聞くと、つい勝ち負けをつけたくなるかもしれないね。でも、数が多いことは、そのまま速さや強さを表してはいないよ。そもそも体のつくりや血の通り道が違うんだ。比べるなら、まず「何について知りたいのか」をはっきりさせる必要があるね。
「心臓はいくつ?」は数についての問い。「どこへ血を送る?」はつながりについての問い。「どんな働きをする?」は役割についての問いだよ。この3枚の質問カードを作って、一枚ずつ答えてみよう。同じ生きものについても、質問を変えると、調べるべきことが変わるんだ。
もう一つの大事な区別は、「この生きものにある特徴」と「すべての生きものにある特徴」だよ。タコの例を読んだからといって、水中の生きものがみんな同じ数の心臓を持つと考えてはいけないね。記事が説明している対象を確かめると、面白い発見を広げすぎずに覚えられるよ。
間違った図を、直してみよう
練習として、心臓を3つ並べ、どれからも同じ体へ一本ずつ矢印を描いた図を考えてみよう。この図には、えらへ送る仕事と、酸素を受け取った後に体へ送る仕事の違いがないね。どこを直すと、この記事の説明に合う図になるだろう。名前と矢印を書き直して確かめてみてね。
直すときは、2つの心臓の先にそれぞれえらを置き、酸素を受け取った血が、体へ送る心臓へつながるようにするよ。帰りの流れも考えると、一方向へ送って終わりの絵ではなく、循環するしくみとして見えてくるね。この模式図は仕事の関係を示すもので、体の中の正確な配置図ではないよ。
最後に、友だちへ「タコの心臓は3つ!」と伝えた後、もう一文だけ足してみよう。「2つはえらへ、1つは体へ血を送るんだ」。この一文があると、びっくりする雑学から、理由を考える科学へ一歩進めるよ。数字を覚えた後に働きを説明する習慣は、ほかの生きものを調べるときにも使えるんだ。
血の通り道を、矢印にしてみよう
紙に「えら」と「体」の2つの場所を書いて、そこへ血を送り出す係を描いてみよう。えらへ送る係は2つ。酸素を受け取った血を体へ送る係は1つ。心臓を数えるだけでなく、どこへ送り出すかを書き足すのがポイントだよ。
この絵は仕事の分担を考えるための簡単な図だよ。本物のタコの体の中で、心臓や血管がどんな形をして、どこにあるかを正確に表すものではないんだ。模型や図を見るときも、「何を説明するための絵かな?」と考えてみよう。
どっとと考えよう:3つあれば、3倍強い?
問いは「心臓が3つあるなら、人の3倍強い心臓だと言えるかな?」。数の比べ方だけで答えられるか、考えてみてね。
答えは、その数だけでは言えない、だよ。タコでは、心臓ごとに血を送る先がちがうんだ。働きの強さをくらべたいなら、何を「強い」と呼ぶのか、何を測るのかも決めないといけないね。
生きものの体の数や形を知ったら、「それは何の仕事をしているの?」という問いを続けてみよう。3つというびっくりする数字が、酸素を取りこみ、体へ届けるしくみにつながって見えてくるよ。

ことばのメモ
- 心臓(しんぞう)
- 血を押し出して、体の中へ送る器官。
- 酸素(さんそ)
- 多くの生きものが、生きるために使う気体。水の中にも溶けているんだ。
もとになった資料・もっと知りたい人へ
下記の資料をもとに、説明と考える問題を独自に構成しています。外部資料には英語のページもあります。どっとの画像は案内用のイラストで、観測写真や科学的な図ではありません。
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