
川は、どうしてくねくね曲がるの?
地図で川をたどると、大きく曲がった場所や、川のそばの三日月形の湖が見つかるよ。水が土砂を削り、運び、積もらせる働きから、川の道の変化を考えよう。

まず、ひとことで
川のカーブでは、外側の岸が削られ、内側に土砂がたまりやすいよ。その繰り返しで川の道が動き、曲がりが大きくなることがあるんだ。近づいた場所を新しい流れがつなぐと、古い道の一部が三日月湖として残ることもあるよ。
流れる水と、流れる道を分けよう
川の水は、上流から下流へ流れ続けているね。でも地図を見ると、その道はいつもまっすぐとは限らない。へびが進むように左右へ曲がる川の流れを、蛇行というよ。読み方は「だこう」。水が通る道そのものは、河道と呼ぶんだ。今日は、一つ一つの水の移動だけでなく、その河道の形や場所が変わる仕組みに注目しよう。
とくに、比較的なだらかな土地で、砂や泥などを運ぶ川を考えるよ。ここでは、大きな曲がりの外側と内側で、起こりやすい働きが違うんだ。ただし、川の形には地面の傾き、岩や土の性質、運ばれる土砂なども関わる。どんな川の曲がりも、一つの説明だけで同じように生まれる、という話ではないよ。
水は、削る・運ぶ・積もらせる
流れる水には、岸や川底の材料を削り取る働きがある。これを侵食というよ。削り取った砂や泥などを、別の場所へ動かす働きは運搬。運ばれてきた材料が、ある場所にたまることは堆積と呼ぶんだ。読み方は順に「しんしょく」「うんぱん」「たいせき」だよ。水だけを見るのではなく、土砂もどこからどこへ動いたかを考えると、地形の変化が分かりやすいね。
この三つは、川の一生で一回ずつ起こる順番ではない。ある場所では岸を削りながら、その先では砂を積もらせるなど、同じ川の違う場所で並行して起きるよ。速い流れが運べる材料と、遅くなった流れでたまりやすい材料は違う。最初の図は、一つのカーブで侵食と堆積が起こりやすい場所を、上から見た形で比べているんだ。
一つのカーブを上から見た、典型的な働きの模式図。赤は外側の侵食、黄色は内側の堆積。水深方向の流れは省略し、流速や削れる量の実測値は表していないよ。
出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図カーブの外と内では、何が違う?
川が曲がると、水の進む向きも変わる。カーブでは流れの速さや向きが一様ではなく、典型的には外側寄りに速い流れが現れ、外側の岸を削る働きが強くなりやすい。一方、内側では流れが比較的遅くなり、運んでいた砂などがたまりやすいよ。砂のたまった浅い部分と、削られた岸が、向かい合うようにできることがあるんだ。
「右岸なら必ず削れる」と覚えるのではないよ。右へ曲がる場所と左へ曲がる場所では、カーブの外側になる岸も変わるからね。また、本物の流れは水面だけでなく、水深によっても違う。図の矢印一本は水の動きを全て再現していないし、速い流れの位置がカーブの真ん中の外岸にいつも固定されるわけでもない。外側と内側は、曲がった道との関係で見よう。
水が通るだけでなく、道の場所も動く
外側の岸が削られると、そこにあった陸地の一部が、川の通る場所になる。反対に内側へ土砂がたまると、以前は水が通っていた部分が浅くなったり、陸地になったりするね。これを繰り返すと、水が流れる道の位置が横へ移り、カーブが大きくなることがある。川の道は、一度できたら動かない溝とは限らないんだ。
実際の曲がりは、横へ広がるだけでなく、下流の方へずれていくこともあるよ。ただ川幅がどんどん広がる、と考えるだけでは変化を説明し切れないね。削られる側と、たまる側を両方見ることが大切なんだ。ただし、変化の速さや向きは、流れる水の量や岸の材料などによって異なる。この図から、何年後にどれだけ動くかを計算することはできないよ。
遠回りの道が、湖として残ることも
曲がりが大きくなり、川の道が輪のような形になると、上流側の道と下流側の道が近づく場合がある。その間の狭い陸地を通って、新しい短い流れができることがあるんだ。大水のときなどに起こる、このようなつなぎ替えを考えてみよう。流れの主な道が変わると、それまでの大きな曲がりは、取り残されることになるね。
古い道の入口や出口が土砂でふさがれ、水面が残ると、三日月のような形の湖になることがある。これが三日月湖で、昔の川の道が残った河跡湖の一つだよ。二つ目の図は、曲がり、近道、切り離された湖という変化を描いたんだ。全てのカーブが必ず湖になるわけではないし、できた湖も、その後に土砂がたまって姿を変えることがある。
三日月湖ができる一例を単純化した架空の図。実際の地図・縮尺・経過年数を示したものではないよ。新しい道ができた直後に、古い道が必ず一度に切り離されるわけではない。
出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図石狩川のそばにも、昔の道が残る
北海道の石狩川の周りには、こうした河跡湖が見られるよ。国土交通省北海道開発局の解説では、石狩川が広くなだらかな土地を通って大きく蛇行したことや、自然に流路がつなぎ替わってできた湖が紹介されている。例えば浦臼町のトイ沼やピラ沼などだよ。遠くの国だけの仕組みではなく、日本の地形を読む手がかりにもなるんだ。
ここで紹介した名前は、本物の場所の例だけれど、この記事の図は石狩川の地図を写したものではない。川の曲がりを見やすくした、説明用の架空の形だよ。位置や距離を調べるときには、実際の地図に戻る必要がある。一般的な仕組みを示す図と、どこで何が起きたかを残す記録は、役割が違うんだ。二つを行き来すると、説明を確かめやすくなるね。
今の地図一枚から、どこまで分かる?
川のそばに三日月形の水面があれば、昔の河道ではないかと考える手がかりになる。国土地理院の地形判読の解説でも、水面の形や現在の河道との位置関係に注目しているよ。ただ、形が似ているというだけで、できた時期や、流れが変わった細かな経過まで決まるわけではない。見えることと、そこから考えたことを、分けてメモしよう。
時期の違う地図や空中写真を比べるなら、同じ場所が、同じ向きと縮尺で重なるかを確かめるよ。目印をそろえると、川岸が変わった場所を探しやすいね。一方、撮影時の水位の違いでも、水面の広さは変わる。水が少ない日の砂州を見ただけで、陸地が増え続けたとは言えないんだ。地形の変化を調べるには、比べた条件も一緒に残すことが大切だよ。
どっとと考えよう:青い線と、岸の変化
紙に大きなU字形の川を描いて、流れる向きを決めよう。カーブの外側を赤、内側を黄色でなぞってみる。赤い側の陸を少し削り、黄色い側へ砂がたまったと仮定して、次の時点の岸を別の紙に描こう。二枚を重ねると、水の矢印を一本増やすことと、川の道そのものを描き直すことの違いが見えてくるよ。
次は輪のような川の道を描き、近づいた二か所を短い線でつないでみよう。古い道の両端がふさがれたら、どこに水面が残るかな。この活動は紙の模型で、本物の川を削ったり、水を流したりする実験ではないよ。実際の川へ確かめに入る必要もない。川の形を眺めるときは、今ある水だけでなく、かつて水が通った場所にも目を向けてみよう。

ことばのメモ
- 蛇行
- 川の道が、へびが進むように左右へ曲がりくねること。読み方は「だこう」。
- 河道
- 川の水が流れる道。水そのものの移動と、道の形の変化は分けて考える。
- 侵食
- 水などの働きで、岸や地面の材料が削り取られること。
- 運搬
- 削られた砂や泥などの材料が、水などによって運ばれること。
- 堆積
- 運ばれてきた砂や泥などが、ある場所にたまること。
- 三日月湖
- 川の曲がった部分が本流から切り離され、水面が残ってできる三日月形などの湖。河跡湖の一つ。
もとになった資料・もっと知りたい人へ
下記の資料をもとに、説明と考える問題を独自に構成しています。外部資料には英語のページもあります。どっとの画像は案内用のイラストで、観測写真や科学的な図ではありません。
- USGS:Find-A-Feature: Meander(蛇行の外側の侵食と内側の堆積)
- National Park Service:Fluvial Features—Meandering Stream(流れの違い、河道の移動、三日月湖)
- National Park Service:River Systems and Fluvial Landforms(侵食・運搬・堆積と川の地形)
- 国土交通省北海道開発局:57 自然短絡河跡湖(石狩川と浦臼町の河跡湖)
- 国土交通省中国地方整備局:川が左右に蛇行する理由(流れの向きと大水による流路の変化)
- 国土地理院:地形判読のためのページ・三日月湖(水面の形と現在の河道との位置)
分かりやすくするために、説明を短くしたり、たとえ話を使ったりしています。まちがいを見つけたらお問い合わせへお寄せください。制作方法は編集方針、いっしょに読むときのヒントは保護者・先生へで紹介しています。