
マリー・キュリーは、見えないものをどう調べたの?
「見えないから、調べられない」とは限らないんだ。ものを測り、くらべた科学者のお話だよ。

まず、ひとことで
目に見えなくても、測ってくらべることで、分かることがあるんだ。
学びたい気持ちを持って、パリへ
マリー・キュリーは、1867年にワルシャワで生まれたんだ。1891年にはパリへ移り、大学で物理や数学を学んだんだ。
物理は、光や力など、自然のしくみを調べる学問だよ。数学は、数や形、ものごとの関係を考えるときに役立つんだ。キュリーは学んだことを使って、研究を進めていったんだ。
見えない現象を、測ってくらべる
キュリーが調べたのは、「放射能」という性質だよ。ある物質が、ひとりでに放射線を出すんだ。目で見るだけでは分からなくても、測ることで調べられるんだ。
温度計なら、見えない暑さや寒さを数字でくらべられるね。それと同じように、科学では道具を使うと、目だけでは分からないことを調べられるんだ。温度計で放射能を測れるという意味ではないんだ。
キュリーたちは、ポロニウムとラジウムという元素を発見したんだ。1903年には、ピエール・キュリー、アンリ・ベクレルとともにノーベル物理学賞を受賞。1911年には、マリーがノーベル化学賞を受賞したんだ。
物質の放射能を測り、知っている材料からの予想と比べ、その違いをさらに調べたんだ。図は考え方を簡単にまとめたもの。実際の実験装置や薬品の扱い方を示すものではないよ。
出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図発見は、一人だけでできるもの?
大きな発見には、いっしょに研究する人や、それまでに研究した人の仕事もつながっているんだ。キュリーの研究も、そうしたつながりの中で進んだんだ。
「すごい人だった」で終わらずに、「何を疑問に思ったのかな?」「どうやって確かめたのかな?」と考えてみよう。科学者のお話が、自分の問いを考えるヒントになるかもしれないね。
新しい問いは、前の発見から始まる
キュリーの研究の前に、アンリ・ベクレルはウランから出る放射線を調べていたよ。キュリーは、その現象をさまざまな物質で測り、比べる方向へ研究を進めたんだ。科学の発見は、一人が何もない場所から全部を作る話とは限らないね。前の人が残した問いや道具が、次の研究の出発点になるんだ。
ここで「放射線」と「放射能」を区別してみよう。放射線は出てくるものを指し、放射能はそれを出す性質のことだよ。たとえ話なら、光と光を出す性質を分けるように、言葉の役目を整理するとよいね。ただし、放射線は目に見える光と同じものだけを指すわけではないんだ。
研究の入り口を「すごい物質を見つけたい」という気持ちだけで説明せず、「何を測るか」「何と比べるか」と具体的に書いてみよう。人物の物語にも、確かめられる方法への工夫があるんだ。科学者が何を思ったかを、残された資料以上に勝手に作らず、行った仕事から問いをたどることも大切だよ。
見えない働きを、測れる変化に結びつける
キュリーは、放射線が空気の電気の通りやすさに与える影響を使い、弱い電気的な変化を測って研究したんだ。そのために使った電位計という道具は、ピエールとその兄弟の仕事ともつながっているよ。目に見えないものを調べるときには、それが周囲に与える、測れる変化へ注目する方法があるんだね。
たとえば風は、そのまま手でつかめなくても、旗が動く様子から存在に気づけるね。このたとえと研究装置は同じではないけれど、「調べたいものが引き起こす変化を手がかりにする」という考え方は似ているよ。測る道具は、魔法のように答えを出す箱ではなく、変化を比べられる形にする助けなんだ。
下の図では、試料から測定、比較、次の問いへ進む順番を描いたよ。実際の装置を正確に組み立てる図ではなく、研究の考え方を整理するためのものなんだ。歴史の実験を家庭で再現しなくても、この順番を読むことで、目だけに頼らない調べ方を学べるよ。
予想より大きな値が、新しい手がかりに
キュリーたちが調べたピッチブレンドという鉱石は、含まれるウランだけでは説明しきれないほど強い放射能を示したんだ。ここで面白いのは、珍しい見た目を見つけたからというより、測った結果と、知っている材料からの予想との違いが、新しい物質を考えるきっかけになったことだよ。
予想と結果が違うとき、すぐに「新発見だ」と決めるのではなく、何が説明できていないかを考える必要があるね。測り方の問題かもしれないし、まだ知らない材料があるのかもしれない。キュリーたちは、物質を分けて測る仕事を進め、ポロニウムとラジウムの発見につなげたんだ。
身近なたとえなら、中身の分からない袋の重さが、知っている品物だけの合計より大きかった場面を考えてみよう。「ほかにも何か入っている?」という問いが生まれるね。鉱石の研究は袋の重さを測った話ではないけれど、予想で説明しきれない違いが、調べる方向を教えてくれる関係を考えられるよ。
分けて、測って、もう一度比べる
いろいろな材料が混ざっていると、どの材料が測った変化に関係するか、簡単には分からないね。キュリーたちは、鉱石に含まれる物質を化学的な方法で分けながら、放射能を測っていったんだ。一度見ただけで新しい元素の名前が分かるのではなく、材料の分離と測定がつながる仕事だったんだね。
この記事では複雑な手順を省いているけれど、「分ける」「測る」「比べる」という言葉を並べると、研究が続く様子が見えてくるよ。同じような測定を積み重ねる仕事にも、どの部分に注目するかを選ぶ工夫があるんだ。完成した結果だけでなく、そこへ進む途中の方法も、科学の大切な内容なんだよ。
ただし、ここから薬品や鉱石を使った実験を始める必要はないよ。放射性物質を扱う研究を、家庭の工作のように再現してはいけないんだ。学ぶためにできるのは、資料を読み、図の矢印をたどり、何を手がかりにしたかを説明すること。方法を理解することと、危険な作業をまねすることは別だよ。
年表に、発見と確かめ方を書き足そう
年表には、もとの4つの年に加え、1898年のポロニウムとラジウムの発見を置いてみよう。1903年や1911年の受賞より前に、発見についての研究があることが分かるね。賞を受けた日が、研究を始めた日や、すべての仕事が終わった日と同じとは限らないんだ。
年の下には、出来事の名前だけでなく、測定、比較、物質を分ける仕事などを短く書き添えてみてね。すると、人の名前を並べた年表から、調べ方が進む年表へ変わるよ。ピエールやベクレルの仕事も、つながる場所に加えると、一人の主人公だけでは説明できない研究のつながりが見えてくるんだ。
最後に、自分の身近な問いを一つ選び、「目で見えること」「道具で測れそうなこと」「まだ分からないこと」に分けて書いてみよう。キュリーと同じ実験をしなくても、観察と測定を区別し、比較から問いを作る考え方は練習できるよ。科学者の物語を、自分の考える道具として読み終えられるといいね。
学び、発見、受賞を別々の出来事として並べたよ。年の順番を表す図で、項目どうしの間隔は経過した時間に比例しないよ。研究には、共同研究者やそれまでの仕事もつながっているんだ。
出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図発見の年を、一本の線に並べてみよう
1867年の誕生、1891年のパリへの移動、1903年のノーベル物理学賞、1911年のノーベル化学賞。記事に出てきた年を紙の上に順番に置くと、学ぶ時間と研究する時間が、発見の前後に続いているのが見えるね。
賞の年だけに注目すると、発見が一瞬で起きたように感じるかもしれない。でも、賞は研究そのもののすべてではないんだ。何を学び、何を調べ、どんな人と仕事をしたのかも、同じ線に書き足して考えてみよう。
どっとと考えよう:見えなければ、ない?
問いは「目で見えない現象なら、調べる方法もないのかな?」。温度をくらべる場面と、この記事の研究をつないで考えてみよう。
答えは、目で見えなくても、道具を使って測れることがある、だよ。ただし、どんな道具でもよいわけではないんだ。温度を測る道具と、放射線を調べる道具は別のもの。何を測りたいかによって、適切な方法を選ぶ必要があるよ。
「見えない」と「確かめられない」を同じにしないこと。「測った数字」と「そこから考えた説明」を分けること。キュリーの物語は、科学者の名前を覚えるだけでなく、身近な問いを調べるときの考え方にもつながるんだ。

ことばのメモ
- 放射能(ほうしゃのう)
- ある物質が、ひとりでに放射線を出す性質。
- ノーベル賞
- 人類に大きく役立つ発見や仕事などに贈られる賞。
もとになった資料・もっと知りたい人へ
下記の資料をもとに、説明と考える問題を独自に構成しています。外部資料には英語のページもあります。どっとの画像は案内用のイラストで、観測写真や科学的な図ではありません。
- ノーベル財団:Marie Curie – Biographical
- ノーベル財団:Marie and Pierre Curie and the discovery of polonium and radium
- マリー・キュリー:1911年ノーベル講演(ノーベル財団)
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