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ベラ・ルービンは、見えない物質をどうやって調べたの?:内容をイメージした挿絵
科学者たち

ベラ・ルービンは、見えない物質をどうやって調べたの?

銀河の外側の星が、予想より速く動いていた。その違いを見逃さなかった天文学者の仕事から、見えないものを調べる方法を考えよう。

まず、ひとことで

ルービンたちは銀河の動きを測り、光で見える物質だけでは説明しにくい重力の手がかりを見つけたんだ。

見えないものにも、手がかりはある

風そのものは、目でつかまえられないね。でも木の葉が揺れれば、空気が動いていると気づける。何かがほかのものに与える変化を調べると、その正体へ近づけることがあるんだ。宇宙を調べるときにも、よく似た考え方が役立つよ。

ベラ・ルービンは、星がたくさん集まった「銀河」を調べた天文学者だよ。注目したのは、きれいな形だけではなく、中の星やガスがどんな速さで動くかだった。その測定が、光では見えない「ダークマター」を考える大きな手がかりになったんだ。

ここで風のたとえが教えてくれるのは、変化から原因を探すという考え方まで。ダークマターが空気と同じものだったり、風のように星を押したりするわけではないよ。ルービンたちが探ったのは、物質がお互いを引く「重力」の働きなんだ。

ルービンとフォードが、光から測ったこと

ルービンは一人だけで答えを出したわけではないよ。同僚のケント・フォードが開発した高性能な分光器を使い、仲間と観測を重ねたんだ。分光器は、望遠鏡で集めた光を波長ごとに分け、光に含まれる細かな特徴を調べる道具だよ。

光を分けると、ある波長が強かったり弱かったりして、線のような模様が現れる。この「スペクトル」の線が、本来の位置からどれだけずれているかが、こちらに近づく・遠ざかる動きの手がかりになるんだ。見た目の色を大ざっぱに比べるだけではないよ。たとえば救急車の音が近づくときと遠ざかるときで違って聞こえるように、波には動きに応じた変化がある。光にも似たしくみがあるけれど、音と光は違う種類の波だよ。銀河が回る様子を何百万年も待って見る代わりに、届いた光を詳しく調べるんだ。

銀河は斜めに見えることもあるので、測れた動きをそのまま回転の速さとは呼べない。傾きなども考え、中心から違う距離にある場所を比べていくんだ。1960年代にはアンドロメダ銀河を調べ、1970年代には仲間と数多くの銀河へ観測を広げたよ。

銀河からの光を分光器で調べ、光の線のずれから動きを測り、中心からの距離ごとに比べる流れ
光を集めると、動きの手がかりになる

実際の観測を簡単に並べた模式図だよ。分光器で光を分け、スペクトルの線のずれを調べる。見えている方向への動きから銀河の傾きなども考えて回転を求めるので、写真を一枚見ただけで速さが分かるわけではないよ。

出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図

遠いところは、もっと遅いはず?

太陽系では、太陽から遠い惑星ほど、軌道を進む速さが小さくなるよ。質量の大部分が太陽に集まっていて、遠くでは太陽の引力が弱くなるからなんだ。では銀河も、中心から遠くなるほど同じように遅くなるのかな。

ここで、太陽系の考えを丸ごと当てはめるのは早すぎるよ。銀河には星もガスも広い範囲に分布している。大切なのは、物質がどれくらいあり、どこに広がっているかを考えてから、予想する速さを計算することなんだ。

光で見える星などをもとにすると、銀河の十分外側では回転の速さが下がると予想された。ところが、観測はその予想と合わなかったんだ。「遠いから必ず遅い」という決まりを暗記するより、何をもとにした予想なのかを確かめてみよう。

予想と測定のずれを、見逃さない

ルービンたちが多くの渦巻銀河で見つけたのは、外側でも回転の速さがあまり下がらないという特徴だった。外側にある星やガスは、光で見える物質だけから予想したよりも、速く動いていたんだ。

「同じくらいの速さ」は、一周する時間が同じという意味ではないよ。大きな円と小さな円を同じ速さで進めば、道のりの長い大きな円のほうが一周に時間がかかるね。速さのグラフと、一周の時間のグラフは区別して読もう。

予想と違ったときは、道具や計算、比べ方を見直すことが大切。さらに違う銀河でも確かめると、一つの場所だけの偶然では説明しにくくなる。ルービンたちの仕事は、そうした測定の積み重ねによって、見えない物質があるという考えを強く支えたんだ。

外側で速さが下がる予想の破線と、高い速さを保つ観測の特徴を示す実線を比べた概念図
外側の速さが、予想と違った

光で見える物質をもとにした予想と、多くの渦巻銀河で見つかった特徴を比べる概念図。実測値や特定の銀河のグラフではなく、縦横の数値も省いているよ。内側の曲がり方や細かな違いは簡略化しているんだ。

出典資料に基づきEggplanetが作成した模式図

ダークマターは、黒い雲なの?

見える星やガスに加えて、光では見えない物質が銀河の外側まで広がっていると考えたらどうだろう。その物質の重力も足すことで、高い回転の速さを説明できる。この見えない物質が「ダークマター」、日本語で暗黒物質と呼ばれているものだよ。

「暗黒」といっても、黒い絵の具や、星を隠す黒い雲という意味ではない。光を出したり反射したりする様子が捉えられず、主に重力の影響から調べているんだ。イラストの黒い部分を指して「ここに見えた」と判断することはできないよ。

ダークマターがどんな粒子などでできているかは、まだ確かめられていない。名前がついたことと、正体まで分かったことは別なんだ。また、宇宙の膨張に関係する「ダークエネルギー」は違う問題につけられた名前。同じ「ダーク」でも混ぜないでね。

一つの発見を、みんなの問いへ

見えない物質の考えは、ルービンが最初に思いついたものではないよ。1933年にはフリッツ・ツビッキーが、銀河の集まりの動きから、見えるものだけでは物質が足りないと考えていた。ルービンたちは、個々の銀河の回転から重要な証拠を加えたんだ。

今では、重力によって遠くの光が曲がる現象など、回転とは別の手がかりも使って調べているよ。一つの観測だけで何もかも決まったのではなく、違う調べ方がつながって、宇宙の姿を確かめているんだね。

ルービンは研究に加え、女性が天文学で活躍できるよう後輩を支えたことでも知られている。2020年には、彼女をたたえて観測所にその名が付けられたよ。科学者の仕事には、自分で測ることだけでなく、次に問いを受け継ぐ人を支えることもあるんだ。

どっとと考えよう:二つの線を説明できる?

紙に横向きの矢印と上向きの矢印を描いてみよう。横は「銀河の中心からの距離」、縦は「回転の速さ」と書くよ。外側で下がる破線と、外側でも高いところを進む実線を描いたら、どちらが予想で、どちらが観測の特徴だったか説明してみてね。

次に、「同じ速さなら、どの星も一緒に一周する」と言われたら、どう答える? 大きさの違う円を二つ描き、指で道のりをたどってみよう。外側は道が長いから、同じ速さでも一周に時間がかかる。この紙の活動は、銀河の本当の重力を再現する実験ではないよ。

最後は二つの文を分けて言ってみよう。「測って分かったのは、外側でも速さがあまり下がらなかったこと」「その説明として、見えない物質の重力を考えたこと」。測った事実と、その理由を考えることを分けられたら、ルービンたちの問いに一歩近づけたね。

ことばのメモ

銀河
たくさんの星やガスなどが、重力でまとまった大きな集まり。私たちの太陽も銀河の中にあるよ。
分光器(ぶんこうき)
光を波長ごとに分け、含まれる線などの特徴を調べる道具。
回転曲線
銀河の中心からの距離と、星やガスが回る速さの関係を表したグラフ。
ダークマター(暗黒物質)
光では捉えられず、重力による影響から存在が考えられている物質。正体はまだ確かめられていないよ。

もとになった資料・もっと知りたい人へ

下記の資料をもとに、説明と考える問題を独自に構成しています。外部資料には英語のページもあります。どっとの画像は案内用のイラストで、観測写真や科学的な図ではありません。

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